北欧で見つけた“売れる”ブランド バイヤーやインフルエンサーからも高評価

2020年春夏シーズンのコペンハーゲン・ファッション・ウイーク(以下、CFW)が8月6〜9日に開催された。今季はストックホルム・ファッション・ウイークとオスロ・ランウエイが開催中止とあって、多くの北欧ブランドがCFWに参加する流れとなった。5月に来日した「セシル バンセン(CECILIE BAHNSEN)」やインフルエンサーからの支持が高い「ガンニ(GANNI)」など、デンマークを代表するブランドは世界的にも注目度が高まっている。彼らに続くアップカミングな北欧ブランドを発掘すべく51ブランドのショーやプレゼンテーションをチェックし、スウェーデン発の「ロジャー(RODEBJER)」と「リトル リフナー(LITTLE LIFFNER)」に目が留まった。

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CFWに参加して4シーズン目となるウィメンズブランド「ロジャー」は、インフルエンサーから特に高い評価を受けた。創始者のカリン・ロジャー(Carin Rodebjer)はスウェーデンで生まれ育ち、ニューヨーク州立ファッション工科大学(Fashion Institute of Technology)を卒業して1999年にアメリカで同ブランドを始動した。スウェーデンで数々のファッションアワードを獲得し、現在はストックホルムとオスロに1店舗ずつ旗艦店を構えるほか、北欧の主要な百貨店など約20アカウントで販売する。

「ロジャー」は既存の社会的規範にとらわれず自由に生きていきたいと願う女性に向けて、リラックスしたラグジュアリーウエアを提案する。モダンとクラシックを融合した洗練されたデザインで、日常の気分を高めてくれるような服をそろえる。今季は特に、体を締め付けないゆとりのあるサイズ感と、肌触りのいい素材にこだわったという。モロッコ・マラケシュの都市から着想を得て、ザクロやジャスミン、イチジクの葉など、アラビアの庭園に咲くボタニカル柄をプリントした。風に舞うドレーピングと地面にまでつく長いフリンジがなめらかに揺れて、リラックスムードを漂わせていた。価格帯はトップス250ユーロ(約3万円)〜、アウター700ユーロ(約8万4000円)〜。ショーを見たインフルエンサーのステファニー・ブルーク(Stephanie Broek)は、「ポップな色彩に満ちたブランドが多いCFWにおいて、タイムレスで落ち着いた『ロジャー』のコレクションは親しみが感じられた。価格帯も含め、実用性にも長けている」とコメントする。

今シーズンがCFW初参加の「リトル リフナー」は、次なる“IT”バッグを生み出しそうな有望株だ。CFWに参加した業界関係者のほか、街中でも同ブランドのバッグを持つ女性を頻繁に見かけた。すでに日本でも高島屋やトゥモローランド(TOMORROWLAND)、ラカグ(LA KAGU)など8アカウントで取り扱われている。

ブランドを立ち上げたのは、雑誌編集者としてキャリアを積んだスウェーデン出身のポリーヌ・リフナー (Pauline Liffner)。北欧のシンプリシティーとイタリアの職人技を組み合わせ、機能性を重視したバッグを作ることに専念したという。ブランドのシグネチャーは、曲線美を生かしたミニマルなデザインだ。2012年にデビューして間もなく、ユークス ネッタポルテ(YOOX NET-A-PORTER)をはじめとするECサイトを中心に世界中にアカウントを増やしていった。CFWでのプレゼンテーションを見たプランタン百貨店のレオ・バード(Leo Bird)=ウィメンズバイヤーは「南フランス時代のアンリ・マティス(Henri Matisse)から着想を得たというコレクションは『ジャックムス(JACQUEMUS)』のようなフレッシュなカラーで、高品質なレザー製品がそろっていた。1シーズンしか見ていないけれど、デザイナーはいいストーリーテラーだと思う」とコメントした。スタイリストでインフルエンサーのデボラ・ローザ(Debora Rosa)は、自身で購入したという同ブランドのバッグを持ってプレゼンテーション会場に現れた。「リフナー自身にキャリアウーマンとしての経験があるからか、現代の働く女性が必要とするバッグのサイズ感や重さ、デザインなどを理解してくれている。『そうそう、こういうバッグが欲しかったの!』と、思わず声を上げたくなるようなバッグが多い。デザインがよく高機能なので出番が多く、私の周りではリピーター率も高い」とブランドに心酔している様子だった。

「ジャンポール・ゴルチエ」2020年春夏パリ フランスの英雄ゴルチエ、笑顔でプレタのラストショー

映画館を舞台に発表された、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」の最後のプレタポルテのショーは、ダンスミュージックとともに幕を開けた。フランスの英雄、ゴルチエのラストショーに涙の要素はない。フランス国旗のトリコロールカラーに彩られたネオンのアーチの下、宝塚の舞台のような大階段をモデルが降りてくる。大人の社交場、大人の遊び場としてのファッションショーが今回も繰り広げられた。
“ミス・ゴルチエ・コンテスト”と題したショーは、言葉通りミスコン風の演出。女優のロッシ・デ・パルマがスーツを脱ぎ去り、豊満な身体のコルセット姿でエロティックに歩き、“ミス・ゴルチエ”開幕を告げた。カトリーヌ・ドヌーブ、アルベール・エルバス、アレキサンダー・ワンらも見守る中、ショーは次々とシーンを変えて展開していく。ゴルチエが好きなものを集めたおもちゃ箱を広げるみたいな時間だ。

コルセットとメンズスーツをアレンジしたマスキュリン&フェミニンなスタイル、疾走感溢れる鮮やかな色彩のサイクリング・ルック、トレンチコーチやデニムのフォーカス、ゴールドカードやダイヤモンドをモチーフにしたギラギラのボディコンスのシリーズなど。

エマニュエル・アルト、フランカ・ソッツァーニ、カリーヌ・ロワトフェルドら名物編集長たちへは彼女たちのパロディ・ルックという形で感謝の念を伝え、前髪をロールアップしたモデルのリンジー・ウィクソン扮するスージー・メンケスが登場した時は拍手と笑いがおきた。

“ミス・スモーキング”と題して、スモーキング姿のモデルがタバコをくゆらせ登場したかと思えば、プロレスのマスクを被ってファイティング・ポーズを決めるコーナーがある。とにかくどれも可笑しく、セクシーでハッピー。客席で見ている人たちが隣の人と抱き合い、笑いながらキスをして、このショーに立ち会えた幸運を分かち合っている様子にゴルチエが残してきたものの大きさを見た。

最後は、ゴルチエ自身もミスのタスキをかけて登場。スタンディングオベーションを受けながら、花道を笑顔で駆け抜けて幕を閉じた。今後はオートクチュール・コレクションに専念することが発表されている。

映画『アド・アストラ』ブラッド・ピット主演&製作、行方不明となった父

映画『アド・アストラ』は、ブラッド・ピットが主演・製作を務める本格スペース・アドベンチャー。『バイス』『ビール・ストリートの恋人たち』『ビューティフル・ボーイ』『ムーンライト』など数々の話題作を生み出す、ブラッド・ピットの製作会社プランBがプロデュースを手掛ける。

ブラッド・ピット演じる主人公ロイ・マグブライドは、地球外知的生命体の探求に人生を捧げた英雄の父を見て育ち、自身も宇宙士の仕事を選んだ。しかし、その父は地球外生命体の探索に出た船に乗ってから16年後、32億キロ離れた太陽系の彼方で行方不明となった。だが、父は生きていたー。

地球から32億キロ離れた太陽系の彼方で消息を絶った父。彼はなぜ生きていたのか?そして、なぜ危険な実験を抱えたまま彼は姿を消したのか?父の謎を追い、宇宙の彼方でロイ・マグブライドが見たものとは? 隠された秘密が明らかにされていく、壮大なストーリーが展開される。

主人公ロイ・マグブライドの父親役は『メン・イン・ブラック』『ジェイソン・ボーン』などに出演し、日本ではCMでもお馴染みのトミー・リー・ジョーンズが演じる。ブラッド・ピットとトミー・リー・ジョーンズは『アド・アストラ』が初共演作品となる。

その他、『アルマゲドン』のリヴ・タイラーがロイの妻役として登場するほか、『ハンガー・ゲーム』シリーズで知られるドナルド・サザーランド、『ラビング 愛という名前のふたり』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたルース・ネッガなど豪華キャストが顔を揃える。

監督には『リトル・オデッサ』で長編映画デビューし、『エヴァの告白』『ロスト・シティ Z 黄金都市』などで知られるジェームズ・グレイ。脚本はジェームズ・グレイとドラマ『FRINGE/フリンジ』のイーサン・グロスが共同執筆した。

映画『アド・アストラ』
公開日:2019年9月20日(金)
原題:Ad Astra
監督:ジャームズ・グレイ
製作:ブラッド・ピット他
脚本:ジャームズ・グレイ&イーサン・グロス
出演:ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド

発光する流体と粒子で時の移ろいを表現

グランドセイコー(GRAND SEIKO)」は4月に開催された「ミラノサローネ2019(MILANO SALONE 2019以下、ミラノサローネ)」に出展した。昨年に続き2回目の展示のテーマは“ザ・ネイチャー・オブ・タイム”。ミラノ市内の個人邸宅美術館であるポルディ・ペッツォーリ美術館を会場に、「自然と本質」に着目し、日本特有の自然に寄り添う時間意識と時の本質を、独自の機構であるスプリングドライブをモチーフに幻想的に表現した。

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今年の展示はデザインスタジオのwe+によるインスタレーション「フラックス(FLUX)」と、映像作家の阿部伸吾による映像作品「ムーブメント(movement)」で構成。「フラックス」とは流体のことで、会場に設置されたプールの中にスプリングドライブのパーツがランダムに配置されている。それらに光が当たるとプール内の液体が波紋のように広がり映像と呼応した幻想的な空間に包まれる。波紋は発光流体が光に反応したもので、来場者は光の粒子に導かれるように時の流れを体感する。スプリングドライブのパーツと発光粒子が入ったガラスのオブジェは、手に取ると発光した粒子がパーツと絡み合って光でオブジェを満たす。「ムーブメント」は、時に追われる瞬間と、周囲の喧騒から解き放たれる数秒間の心の小旅行を映像で表現している。

we+は「グランドセイコー」の精緻な物作りの先にある時間知覚を表現するために、光の流体や粉末という素材の開発からスタートした。時の流れという自然現象を表現するために、敢えてプロジェクションなどのデジタルな手法ではなくアナログな方法を取ったという。スプリングドライブの滑らかな針の動きに象徴される時の移ろいや流れを、光を宿す流体と粒子で可視化している。

「グランドセイコー」は1960年に誕生したブランドで、創業138年の歴史を持つセイコーの、マニュファクチュールとしての匠の技と日本の美意識をつぎ込んだ最高峰のウオッチを生み出している。2010年からグローバル展開を本格的にスタートし、その優れた性能と洗練されたデザインが世界中で高い評価を得ている。17年には「グランドセイコー」の文字板から「SEIKO」の文字がなくなり、独立したブランドとして歩みをスタート。スプリングドライブは究極の省エネルギー設計と流れるように動く秒針が特徴のセイコー独自のムーブメントで、「グランドセイコー」の主要モデルに搭載されている。

ダイソンのヘアドライヤーを美容師が徹底解剖

家電メーカーの「ダイソン(DYSON)」が4月28日に発売した話題のヘアドライヤー。他のドライヤーと比べてどう違うのか。サロンワークで「ダイソン」のヘアドライヤーを使用している「アピッシュ ジェノ」の堀江昌樹クリエイティブディレクターにその実力を聞いた。

MG_4214.webp「ダイソン スーパーソニック ヘアードライヤー」は、一般用と業務(サロン)用とがあり、性能は同じで、価格は一般用、業務用ともに4万5000円(購入時には証明書が必要)となっている。また、コードの長さが一般用は1.9mなのに対し、業務用はサロンワークで使うことを考え、2.7mと長くなっている。ヘアサロン「アピッシュ」では全店舗で業務用のヘアドライヤーを導入している。「一番実感できるのが、その風力の強さ。風力は3段階で調整できるが、一番強くするとこれまでのドライヤーよりも、かなり風力があるので、従来よりもドライ&ブローの時間が短縮でき、サロンワークもスピーディーになった。乾くのが早いので、美容師ならヘアコンテストとかに使うのもいいと思う」。
その温度設定にも注目する。「温度設定は4段階で、最高でも78度。風力が強いので、それでもしっかりと乾く。通常のドライヤーだと100〜120度くらいになり、熱によるダメージを軽減できる」。また、瞬時に温風から冷風になる機能もついていて、それを使うことで、デザインの幅が広がるという。「78度の温風から一気に冷風にすることで、カールがしっかりとつけられる。今までヘアアイロンを使っていたデザインが、このドライヤーでもできるようになった。内巻きのスタイルは、手で内巻きのカールを作りながらブローし、温度設定を一番高いところから一気に冷風にすることで、カールがしっかりとかたち作られる。トレンドの外ハネスタイルも、内巻きと同じように手で外ハネのカールを作りブローすると、アイロンがなくても、ほどよい外ハネ感を表現できる。モーターが持ち手のところにあるので安定感があり持ちやすい」と評価する。

MG_4168.webp「ダイソン スーパーソニック ヘアードライヤー」を導入することでの話題性にも注目する。「発売して少したつが、今でも話題性もあり、お客さまも珍しがってくれ、アシスタントでも会話が弾む」とそのメリットを語る。

「トップマン デザイン」秋冬ロンドン・メンズ ロンドン一の人気ブランドに望むもの

ロンドン・メンズ・コレクションが開幕し、秋冬シーズンのコレクションサーキットがスタートした。

開幕初日にコレクションを発表した注目ブランドは、「トップショップ」が販売するメンズ「トップマン」のコレクションライン「トップマン デザイン(TOPMAN DESIGN)」。今シーズンは、ハイテク技術の登用と、昨シーズン、ウィメンズの世界で台頭した「脱・リアル」とも思える挑戦的なシルエットの2点がハイライトだ。

まずハイテク技術においては、PVC(ポリ塩化ビニル)の多用が印象的だ。トランスペアレント(透明)なPVCは通常なら春夏シーズン、近未来的な雰囲気を表現するために用いる素材だが、「トップマン デザイン」は秋冬に、サヴィル・ローさえ思わせる伝統的なスーツスタイルの中に積極登用。まるでラミネート加工のようにウールコートの上からボンディング(接合)したり、それ単体でポンチョのようなアウターを作ったり。ボンディングは核となったテクニックで、コートやジャケットのポケットもテープを身頃とボンディングすることで成形。レザーとケーブルニットをボンディングしたトップスも提案した。このほかにも金属糸を用い光沢感を高めたスーツなど、コレクションには意表を突く素材使いとそれを実現可能としたハイテク技術が頻繁に登場する。

挑戦的なシルエットは、着る人にちょっぴりの我慢を強いることでピンと伸びた背筋と逆三角形の上半身を誇張するサヴィル・ローシルエットのジャケットと、センタープリーツのワイドパンツが印象的だ。この日コレクションを発表した他ブランドに呼応したかのような、ひざ下丈まで伸ばしたPコートなどは、半年前にウィメンズの世界で幾度となく現れたミッドカーフ(ふくらはぎ)丈のスカートを彷彿とさせる新しいプロポーションバランスの根幹を成す。一方、ブランケットウールで作ったフリンジ付きのGジャン風アウターなどは、これまたウィメンズの世界で勢いを増しているクロップド丈。抑揚の効いたシルエットを提案している。

伝統的なスタイルにハイテク素材を登用するチャレンジ精神、ウィメンズのトレンドを柔軟に取り入れたクロスジェンダーの視点、そして、半年前に比べ格段に増えたバリエーションなど、評価すべき点は数多い。敢えてリクエストするなら、挑戦的な提案は少し控え目に、逆にリアルでキャッチーな要素を盛り込んでもよかっただろう。ロンドン一の人気メンズブランド「トップマン」から生まれたブランドだけに、「トップマン デザイン」は若年層の男子をファッションショーの世界に誘う役割も有している。だからこそ、彼らが一目見て「着こなせない。やっぱりコレクションは別の世界」と思ってしまうのではなく、「ラグジュアリーブランドやアヴァンギャルドなクリエイションにはチャレンジできないけれど、これなら自分でも楽しめるかも」と思わせる”敷居の低さ”があってもいい。

「リーバイス」とヘロン・プレストンが初コラボ 色と細部で“501”を大胆アレンジ

「リーバイス(LEVI’S)」は5月20日、デザイナーのヘロン・プレストン(Heron Preston)と初めてコラボした「リーバイス × ヘロン・プレストン」のジーンズを発売した。リーバイス ストア 原宿とユナイテッドアローズ 原宿本店のみの販売で、発売期間も5月20日から25日まで。価格は5万5000円だ。キャンペーンビジュアルにはプレストン本人と、モデルでジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)の妻であるヘイリー・ビーバー(Hailey Bieber)が登場する。

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メンズとウィメンズの“501”2型を製作し、「リーバイス」のジョナサン・チャン(Jonathan Cheung)=グローバル・ヘッド・デザイナーが全プロセスでプロジェクトにかかわった。メンズは黒×白のタイダイ柄、ウィメンズはプレストンのシグネチャーカラーでもあるオレンジで着色している。いずれも右のバックポケットを一度剥がして裏返して取り付けたり、本来、山折りにたたんで取り付けるレッド・タブをそのまま縫製するなど大胆なアレンジを加えている。

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プレストンは「“501”がどれだけ絶対的で、アイコニックな存在かということが分かっただろう?なぜって色を重ねても、ひねりを加えても、それは紛れもなく“501”なのだから。今回のコラボレーションを通じて、僕自身あらためて“501”のすごさに気づかされたよ」とコメントした。

5月20日は、1873年にリーバイ・ストラウス&カンパニーが“衣料品のポケットの補強に金属リベットを使用する方法”に関する特許を取得した日であり、同社は5月20日をジーンズの誕生日=“501”DAYとしている。“501”DAYには毎年、“501”をはじめアニバーサリーなアイテムを発売する。

“イケメン姿”を披露した中条あやみが目指す理想の大人

ハーゲンダッツ ジャパンが昨年からTVCMに起用している女優でモデルの中条あやみを招き、新商品・新CMの発表会を開いた。ミルクチョコレートアイスとチョコチップを組み合わせた新定番商品“クリスプチップチョコレート”にちなんで、中条は一部に本物のチョコをあしらった“チョコレートドレス”で登場した。

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イベントでは、12月6日から全国放送する新CMをお披露目。男女がパーティーで出会う内容で、中条は男女2役を演じている。CMではタキシードを着用した男装姿も披露しており、「撮影の時に肌寒かったこともあり、『手伝っていただいた女性の方を守らなきゃ!』とエスコートしたり、男性の気持ちになれました」と撮影中のエピソードを披露した。最後に今年の振り返りと来年の抱負をそれぞれ漢字1字で披露。今年は「美味しいものをたくさん食べたり、地方で素敵な景色を見たりできた」として「美」。来年は、「日本と世界をつなぐ女優・モデルになりたい」という抱負をかかげ、「繋」という字を書いた。

そんな新たな姿を見せた中条をイベント直後に取材した。

今回の衣装である“チョコレートドレス”を着た感想はいかかですか?

中条あやみ(以下、中条):胸元の本物のチョコを使ったブローチのおかげでカカオの香りがして、とてもいい匂いでした。ベロアやレースをあしらっているので、今っぽいドレスだなと。私のサイズに合わせて、手作りしていただいたので、身体にフィットして着心地もいいです。

CMでは男装も披露しましたが、普段のファッションはフェミニン?意外とマニッシュ?

普段はパンツが多くて、スカートはあまり履かないので、どちらかというとマニッシュなスタイルです。ビッグサイズの洋服や、男女兼用の服が好きで、メンズライクなスタイリングが好きですね。

この冬挑戦したいファッションはありますか?

optimize.webp (6)普段メンズライクなファッションが多いので、大人の女性らしくデコルテを出したVネックや、レース素材の洋服に挑戦したいです。これからは20歳としてより女性らしさを出していきたいと思います。

20歳を迎えて、変わったと感じることはありますか?

周りの方の接し方が10代の頃と比べて大人として接してくれるので、身が引き締まるし、責任感を持たないといけないなと思います。

10年後の自分は何をしていると思いますか?

そうですね。“仕事と子育てを両立できる”バリバリのキャリアウーマンになりたいです。

声優に挑戦してみたいです。アニメや映画の吹き替えを出来たらいいなと。あとは、香りがとても好きなので、調香の資格を取ってフレグランスを作ってみたいです。

最近ハマっていることは?

サウナにハマっています!運動も好きですが、これからの寒い季節は汗をかきにくいので、サウナで身体を温めながらストレッチをして汗を流しています。やっぱり寒いと暖かいところに行っちゃいますね(笑)。

ミラノに溢れるアニマル柄やエキゾチックスキン

ファッション・ウイーク期間中には、ランウエイショーだけでなく、バッグやシューズを手掛けるアクセサリーブランドのプレゼンテーションや展示会も数多く開催されている。ウエアにおけるエレガンス回帰が印象的だった2019-20年秋冬は、アクセサリーでもクラシックなムードが台頭。バッグは、かっちりしたシェイプやロゴのメタルパーツが目を引いた。一方、シューズではブーツの豊富さが際立ったほか、スクエアトーやチャンキーヒール、キトゥンヒールからミドルヒールの提案が増加。素材では型押しを含むエキゾチックスキンやパテントレザー、色柄では黒や茶のベーシックカラーに加えた赤や緑、アニマルパターン、チェック、そして、それらの自由なミックスがトレンドに浮上した。ミラノとパリで発表した主要ブランドの新作を3回に分けてお届けする。第2弾は、ミラノで発表した「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」「ジュゼッペ ザノッティ(GIUSEPPE ZANOTTI)」「パウラ カデマルトリ(PAULA CADEMARTORI)」「アクアズーラ(AQUAZZURA)」「バリー(BALLY)」をピックアップ。

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「セルジオ ロッシ」はアーティストのギャリー・カード(Gary Card)とタッグを組み、モダンなシューズファクトリーのセットを制作し、その中でプレゼンテーションを行った。新たなシリーズとして発表されたのは、ポインテッドトー × チャンキーヒールが特徴の“セルジオ(SERGIO)”。アクティブでエレガントな現代女性のニーズに応え、さまざまなヒール高でニーハイやロングブーツ、ブーティ、パンプスを提案する。1970年代に使用されていたロゴをアレンジしたタイポグラフィがインソールに施されているのも同シリーズのポイントだ。キーカラーは赤、白、黒、シルバーで、ナッパやラミネートレザーからパイソンやクリスタルメッシュまでさまざまな素材をパッチワークしたストライプは、レトロなトラックスーツから着想を得たもの。大ぶりなラッフルもデザインのカギになっている。イブニングスタイルはクリスタルメッシュで描くラインが印象的。また、新作のダッドスニーカー“エクストリーム(EXTREME)”も多彩なデザインで打ち出す。

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「ジュゼッペ ザノッティ」が今シーズン目指したのは、完璧なエレガンスと意表を突くクールさの融合。赤、黒、白のパテントレザーやスエード、アニマルプリントを施したポニースキン、型押しのクロコダイルやパイソン、クリスタルなどの素材ミックスで、ブランドらしいロックな精神を表現している。特に目を引いたのは、18cmのチャンキーヒールに7cmのプラットフォームを合わせたスクエアトーサンダルや、150個のクリスタルで仕上げたフラワーモチーフを飾ったイブニングサンダルといったドラマチックなデザイン。一方、昨シーズンに引き続きフラットからミディアムヒールの提案も多く、デイシューズではウエスタンブーツやダンスシューズから着想を得たレースアップシューズ、パンプス、ニーハイブーツ、フラットシューズなどをそろえる。また、スニーカーラインにはスケートカルチャーから着想を得た新作“ブラッバー(BLABBER)”が登場した。

「パウラ カデマルトリ」はミラノの老舗アンティークショップを借り切り、所狭しと商品が並ぶ棚やディスプレーケースに新作を展示した。“内面的な発見”というテーマにちなみ、会場内ではタロットカードや水晶などを使うプロによる占いのサービスも実施。アイテムのデザインにもスピリチュアルなモチーフやラッキーチャームを取り入れた。シューズは、クリスタルやパールのボタン、ラッフルなどの得意とするフェミニンな装飾に加え、ロゴプレートやモノグラム、ベルベットを用いたスタイルを新たに提案。アシッドカラーのウオータースネーク使いも印象的だ。

セレブリティから高い支持を集め、英国のメーガン・マークル(Meghan Markle)=サセックス公爵妃殿下が愛用していることでも知られるイタリア発の「アクアズーラ」は、コロンビア出身でマイアミとロンドンで育ったエドガルド・オソリオ(Edgardo Osorio)が2011年に立ち上げたブランド。オソリオは数々の受賞歴を持ち、過去には「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」と協業しカプセルコレクションを手掛けたこともある実力派デザイナーだ。今シーズンのキーワードは、“モダンノマド”。ニューヨークからロサンゼルスに移住した女性をイメージして、70sのボヘミアンや90sのミニマルといったムードを取り入れた。種類豊富なブーツのデザインは、フリンジやパッチワーク、エキゾチックスキン使いがポイント。サンダルやパンプスは、きゃしゃなストラップでセンシュアルかつすっきりと仕上げた。今季のキーカラーに据えたグリーンは、さまざまな色味で登場。定番モデルのパンプスやミュール、フラットシューズは、トレンドのレオパードやチェックでアップデートしている。

「バリー」はミラノからスイス南部にある風光明媚な街ツェルマットへの列車の旅をテーマに、駅のプラットホームやクラシックな客車をイメージしたセットを作り上げた。コレクションも、スイスクロスやカウベルの装飾に見られるハート、エーデルワイスなどの小花モチーフなどかの地にちなんだ装飾が特徴。山をイメージしたジグザグラインもアイテムを彩る。ウィメンズの新作バッグは、半月状のシェイプにトップハンドルとクロスボディーストラップを備える“ハリエット(HARRYET)”。2サイズ展開で、スムースレザーのほか、型押しのクロコでも提案する。メンズはバックパックやショルダーバッグなどカジュアルなスタイルが中心だ。シューズはメンズ・ウィメンズ共に、1930~40年代のアーカイブから着想したハイキングブーツが中心。カーリングブーツは、過去にスイスのオリンピック代表に提供していたアイテムのデザインを参考にしている。

1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。