ダイソンのヘアドライヤーを美容師が徹底解剖

家電メーカーの「ダイソン(DYSON)」が4月28日に発売した話題のヘアドライヤー。他のドライヤーと比べてどう違うのか。サロンワークで「ダイソン」のヘアドライヤーを使用している「アピッシュ ジェノ」の堀江昌樹クリエイティブディレクターにその実力を聞いた。

MG_4214.webp「ダイソン スーパーソニック ヘアードライヤー」は、一般用と業務(サロン)用とがあり、性能は同じで、価格は一般用、業務用ともに4万5000円(購入時には証明書が必要)となっている。また、コードの長さが一般用は1.9mなのに対し、業務用はサロンワークで使うことを考え、2.7mと長くなっている。ヘアサロン「アピッシュ」では全店舗で業務用のヘアドライヤーを導入している。「一番実感できるのが、その風力の強さ。風力は3段階で調整できるが、一番強くするとこれまでのドライヤーよりも、かなり風力があるので、従来よりもドライ&ブローの時間が短縮でき、サロンワークもスピーディーになった。乾くのが早いので、美容師ならヘアコンテストとかに使うのもいいと思う」。
その温度設定にも注目する。「温度設定は4段階で、最高でも78度。風力が強いので、それでもしっかりと乾く。通常のドライヤーだと100〜120度くらいになり、熱によるダメージを軽減できる」。また、瞬時に温風から冷風になる機能もついていて、それを使うことで、デザインの幅が広がるという。「78度の温風から一気に冷風にすることで、カールがしっかりとつけられる。今までヘアアイロンを使っていたデザインが、このドライヤーでもできるようになった。内巻きのスタイルは、手で内巻きのカールを作りながらブローし、温度設定を一番高いところから一気に冷風にすることで、カールがしっかりとかたち作られる。トレンドの外ハネスタイルも、内巻きと同じように手で外ハネのカールを作りブローすると、アイロンがなくても、ほどよい外ハネ感を表現できる。モーターが持ち手のところにあるので安定感があり持ちやすい」と評価する。

MG_4168.webp「ダイソン スーパーソニック ヘアードライヤー」を導入することでの話題性にも注目する。「発売して少したつが、今でも話題性もあり、お客さまも珍しがってくれ、アシスタントでも会話が弾む」とそのメリットを語る。

ミラノに溢れるアニマル柄やエキゾチックスキン

ファッション・ウイーク期間中には、ランウエイショーだけでなく、バッグやシューズを手掛けるアクセサリーブランドのプレゼンテーションや展示会も数多く開催されている。ウエアにおけるエレガンス回帰が印象的だった2019-20年秋冬は、アクセサリーでもクラシックなムードが台頭。バッグは、かっちりしたシェイプやロゴのメタルパーツが目を引いた。一方、シューズではブーツの豊富さが際立ったほか、スクエアトーやチャンキーヒール、キトゥンヒールからミドルヒールの提案が増加。素材では型押しを含むエキゾチックスキンやパテントレザー、色柄では黒や茶のベーシックカラーに加えた赤や緑、アニマルパターン、チェック、そして、それらの自由なミックスがトレンドに浮上した。ミラノとパリで発表した主要ブランドの新作を3回に分けてお届けする。第2弾は、ミラノで発表した「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」「ジュゼッペ ザノッティ(GIUSEPPE ZANOTTI)」「パウラ カデマルトリ(PAULA CADEMARTORI)」「アクアズーラ(AQUAZZURA)」「バリー(BALLY)」をピックアップ。

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「セルジオ ロッシ」はアーティストのギャリー・カード(Gary Card)とタッグを組み、モダンなシューズファクトリーのセットを制作し、その中でプレゼンテーションを行った。新たなシリーズとして発表されたのは、ポインテッドトー × チャンキーヒールが特徴の“セルジオ(SERGIO)”。アクティブでエレガントな現代女性のニーズに応え、さまざまなヒール高でニーハイやロングブーツ、ブーティ、パンプスを提案する。1970年代に使用されていたロゴをアレンジしたタイポグラフィがインソールに施されているのも同シリーズのポイントだ。キーカラーは赤、白、黒、シルバーで、ナッパやラミネートレザーからパイソンやクリスタルメッシュまでさまざまな素材をパッチワークしたストライプは、レトロなトラックスーツから着想を得たもの。大ぶりなラッフルもデザインのカギになっている。イブニングスタイルはクリスタルメッシュで描くラインが印象的。また、新作のダッドスニーカー“エクストリーム(EXTREME)”も多彩なデザインで打ち出す。

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「ジュゼッペ ザノッティ」が今シーズン目指したのは、完璧なエレガンスと意表を突くクールさの融合。赤、黒、白のパテントレザーやスエード、アニマルプリントを施したポニースキン、型押しのクロコダイルやパイソン、クリスタルなどの素材ミックスで、ブランドらしいロックな精神を表現している。特に目を引いたのは、18cmのチャンキーヒールに7cmのプラットフォームを合わせたスクエアトーサンダルや、150個のクリスタルで仕上げたフラワーモチーフを飾ったイブニングサンダルといったドラマチックなデザイン。一方、昨シーズンに引き続きフラットからミディアムヒールの提案も多く、デイシューズではウエスタンブーツやダンスシューズから着想を得たレースアップシューズ、パンプス、ニーハイブーツ、フラットシューズなどをそろえる。また、スニーカーラインにはスケートカルチャーから着想を得た新作“ブラッバー(BLABBER)”が登場した。

「パウラ カデマルトリ」はミラノの老舗アンティークショップを借り切り、所狭しと商品が並ぶ棚やディスプレーケースに新作を展示した。“内面的な発見”というテーマにちなみ、会場内ではタロットカードや水晶などを使うプロによる占いのサービスも実施。アイテムのデザインにもスピリチュアルなモチーフやラッキーチャームを取り入れた。シューズは、クリスタルやパールのボタン、ラッフルなどの得意とするフェミニンな装飾に加え、ロゴプレートやモノグラム、ベルベットを用いたスタイルを新たに提案。アシッドカラーのウオータースネーク使いも印象的だ。

セレブリティから高い支持を集め、英国のメーガン・マークル(Meghan Markle)=サセックス公爵妃殿下が愛用していることでも知られるイタリア発の「アクアズーラ」は、コロンビア出身でマイアミとロンドンで育ったエドガルド・オソリオ(Edgardo Osorio)が2011年に立ち上げたブランド。オソリオは数々の受賞歴を持ち、過去には「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」と協業しカプセルコレクションを手掛けたこともある実力派デザイナーだ。今シーズンのキーワードは、“モダンノマド”。ニューヨークからロサンゼルスに移住した女性をイメージして、70sのボヘミアンや90sのミニマルといったムードを取り入れた。種類豊富なブーツのデザインは、フリンジやパッチワーク、エキゾチックスキン使いがポイント。サンダルやパンプスは、きゃしゃなストラップでセンシュアルかつすっきりと仕上げた。今季のキーカラーに据えたグリーンは、さまざまな色味で登場。定番モデルのパンプスやミュール、フラットシューズは、トレンドのレオパードやチェックでアップデートしている。

「バリー」はミラノからスイス南部にある風光明媚な街ツェルマットへの列車の旅をテーマに、駅のプラットホームやクラシックな客車をイメージしたセットを作り上げた。コレクションも、スイスクロスやカウベルの装飾に見られるハート、エーデルワイスなどの小花モチーフなどかの地にちなんだ装飾が特徴。山をイメージしたジグザグラインもアイテムを彩る。ウィメンズの新作バッグは、半月状のシェイプにトップハンドルとクロスボディーストラップを備える“ハリエット(HARRYET)”。2サイズ展開で、スムースレザーのほか、型押しのクロコでも提案する。メンズはバックパックやショルダーバッグなどカジュアルなスタイルが中心だ。シューズはメンズ・ウィメンズ共に、1930~40年代のアーカイブから着想したハイキングブーツが中心。カーリングブーツは、過去にスイスのオリンピック代表に提供していたアイテムのデザインを参考にしている。

1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。